
固相重合によりペレット品質の違いを解消し、
新PET樹脂としての転用を可能にします。
PETボトル粉砕品の分子量調整
回収PET樹脂の固相重合プロセスに新PET樹脂を、そのまま転用出来ない理由の一つは、固相重合するペレットの品質が異なる事である。即ち、回収樹脂では、ボトル成形における溶融押出し工程及びペレット化の為の回収ボトル樹脂の溶融押出し工程での熱分解の為、品質が劣化している。
即ち、単に固有粘度が低下しているばかりではなく、末端カルボキシル基及びアルデヒドの増加、色調の悪化等が起きています。末端カルボキシル基の増加は重合速度の低下をもたらし、固相重合条件は新PET樹脂とは異なる事となる。
又、長時間の固相重合中に劣化が更に進まないように、新樹脂に比し穏やかな条件の適応が必要です。用途がボトル用の場合には特に品質要求が厳しく、固相重合条件の設定には十分な配慮が必要です。
結晶、乾燥、熟成工程全てホッパー方式を採用する事により、N2及びチップはピストンフローします。当社のホッパー構造は下部コーン部にダイヤモンドコアを設ける事により、その樹脂が旋回流が生じ樹脂全体が持ち上がり(嵩比重が小さくなる)空間部分が多くなり、ガス流抵抗が小さくなることでガスが断面積に対し均一な流速で流れます。この作用で樹脂に破損がなく、N2と樹脂はピストンフロー(均一乾燥:樹脂の滞留時間の変動幅をできるだけ小さくする事)させながら樹脂を移動させることができます。
均一空気量(面風速):0.6m/sec、若しくは0.06Nm3/min.kg.h
結晶化槽での攪拌機回転数:1.5~2.5r.p.mと少ない為、微粉体、微小粒子の発生が少ない。又、発生した微小粒子はガスと共に排気されバッグフィルターで集塵されます。
N2再生に当社は水スクラバーを採用して居ます。
この効果はEGスクラバーに比して劣らず、むしろ良好です。
N2補給量の低減策として当社の吸着ローターはユニークな構造で、吸着、パージ、再生間のN2リークは皆無に等しいです。これは、安定した露点温度、N2ガスの外部リーク発生が無い為、N2ガスの補給量低減につながります。各ゾーン間の差圧:1,000mmAqでリークが皆無。
等が品質要求であるが、不純物であるAA(アセトアルデヒド)とCT(環状オリゴマー)の除去・減少は高温重合の方が容易である(200℃よりも210℃、210℃よりも230℃)。
従って低温重合(203~217℃)に繋がるのは、"2"、"3"、"4"及び"5"であろう。
白度低下は高温ほど起こり易い事は確かである。
着色物質を形成し易い熱に敏感なアルデヒド類と微量のO2は常に存在します。
又、目標重合度に達したPETの成形性に影響を与える物として、ポリマーの少量成分(DEG量、結晶核粒子等)の他に重合度分布及び結晶化状態があるが、一般には高温ほど不利と考えられます。
微小粒子、変形粒子は高温ほど正常なチップと掛け離れた重合度、結晶状態になり易く、それらを含むポリマーの成形品の透明性を損ないます。
固相重合工程に微小粒子(ダスト、ファイン、ミスカット)除去設備を設ける事は一般に行われて居る完全ではない。